なぜか広く感じる、なぜか住み心地が良い家とはどんな家でしょうか? 家で過ごす時間が一番長いのは寝室ですが、それは寝ていて意識がないときですので、仕事から帰って来て家族の交流のあるスペース=リビングダイニングこそ最も豊かであるべき重要な場所です。家族がにこやかに会話をし、くつろぎ、癒される空間ができれば家づくりとしてほぼ合格ではないでしょうか?
家づくりを思い立つと、まずは住宅展示場に足を運び、豪華なモデルハウスを見て舞い上がってしまう人も多いようで、ついその気になり営業マンの話を聞いていると、モデルハウスとはほど遠い安っぽい貼り物の既製品で仕上げられた住宅を割高な価格で売りつけられそうになります。または、予算が少ないからと短絡的に味気ないローコスト系の家を建ててしまうといった例がとても多いです。主体性を持たず、外観や表面的な知名度から入っていく家づくりは低品位の住まいにたどり着くことが多いのです。
住宅では「坪いくら」という表現がよくされます。坪という単位が社会で定着しているからですが、建物の場合は土地の坪単価と違い、大手住宅会社と地元の中小工務店とでは中身にかなりの差があるようです。フランチャイズのローコスト系住宅会社では完全に表向きの価格を安く見せる為のテクニックになっているからです。事前に標準仕様を決めておき、坪数を乗じてどんぶり勘定で価格を表すやり方ですが、一定の範囲内であれば誤差も少なく合理的であることは確かです。しかしこの手法はなるべく手間をかけずに数を追求することが目的ですから、仕様変更が多くなると割高になるよう価格設定されています。まずは標準仕様がどんな内容なのかを理解する必要があります。当社では原則「積算見積り方式」を採用しており、オリジナル仕様でご希望する予算内で最適な提案をさせていただきます。その際の価格は、建物本体だけではなく建築総額の提示ですので、後からの追加が多く予算超過する事態とは決してなりません。
世間に知られて久しいパッキン工法ですが、最初は画期的な工法として多くの業者が採用しました。特に全国展開しているハウスメーカーが採用し、瞬く間に広まりましたが、その後、いろいろな問題が発生。基礎パッキンが土台に食い込み、敷居と鴨居が下がってしまい、修復できなかったり、虫が床下に入って大量死したり、左官職人が塗るモルタルで隙間が埋まって全く通気しないなどの多くのトラブルが聞こえてきましたが、建材メーカーが改良を重ねて改善されました。当社でもパッキン工法は数棟採用しましたが、かなり後期でしたのでパッキンも既に改良されており問題はありませんでした。しかし、実際に施工してみて従来の換気口を設ける基礎と比較して施工は容易で楽ですが、通気はかなり悪いと分かりましたので、それからは従来の基礎にしています。
最近の建物は気密性が高く24h換気が義務付けられていますが、机上計算通り室内の空気が入れ替わることはなく、どうしても空気は淀みます。また、ホルムアルデヒド対策がされていない輸入家具などが室内にあれば、目に見えない空気環境はさらに劣悪になります。当社では室内の空気環境を良くすることを必須要件とし、透湿性のある内装仕上げ材を使用しています。空気中の有害物質は微細なダストと一緒に空気中にある湿気の微粒子にくっつき浸透作用で床材や壁材に入って無毒化されますが、透湿性のある内装材(自然素材)の場合、室内の空気が浄化される効果があるのです。ウレタン仕上げのフロア材やビニールクロスなどは全く透湿性がなく淀み、カビやダニが発生しやすくなり有害なダストとなって人の体内に入ることにもなりますので注意が必要です。
【床材】無垢材、表面自然オイル塗り
【壁天井】無垢材の板張り、土壁、漆喰などの塗り壁、透湿性のある和紙で仕上げ
基本グレードとして瓦またはガルバリウム鋼板を採用します。ガルバリウム鋼板とはアルミ亜鉛合金メッキ鋼板です。特長として長期耐久性に優れており軽量であるため建物の負担が小さく耐震性に優れていることになります。雨仕舞いが良く、緩い勾配での屋根形状が可能になります。欠点としては建物が軽く見えること、雨や霰の音が響きやすいことがあります。音の対策としては鋼板の下に吸音材を敷いての施工になります。また、瓦の場合の基本グレードは、三州和瓦もしくは平板瓦ですが、種類が多いため他の瓦でも変更が可能です。瓦屋根は町並みの中で風情を醸し出す、歴史に裏付けされた優れた屋根材です。アップグレードでは、地元越前瓦を使用できます。凍害にも強く表面がざらっとしていて滑りにくい。さらに独特の青みが福井ならではの風情を感じさせてくれます。越前瓦の場合「県産材を活用したふくいの住まい支援事業」として県より補助金を受けることも可能です。